新しい天地と古い天地(1998年)

はじめに

このたび「新しい天地と古い天地」と題する福音メッセージ集を出版することになりました。


今年元日の某新聞の社説の中に、「コンピューター革命が急速に進んだこの世紀末、歴史の加速はこの百年で何十万倍にもなったというべきではないだろうか、実際、最近の社会変動は加速が著しい。だれもがこのめまぐるしい変化に流され、おぼれ、戸惑っている。政治も国民も次から次に生まれる事態に対応しきれないうちに、また状況は変わる。そして、半年先さえだれも的確には見通せない」とありました。


この社説に指摘されるまでもなく、私たちは世界や日本の中で次々と起こるさまざまな混乱した政治的、経済的、社会的なできごとを通して、歴史の進行が人の力で止めることのできない急激な速度で、どこか先の見通しも利かない、考えも及ばない終点に向かって、地球上の人々すべてに深く関わりながら年々加速していることを、自分のからだで感じ取っているのではないでしょうか。


英語でヒストリー(歴史)という言葉は、ヒズ・ストーリーの合成語ですが、ヒズとは「神様の」という意味ですから、歴史は「神様の語られたこと」ということになります。したがって、歴史は人間が進めるものではなく、神様のお考えによって今までも、またこれからも進行するものなのであります。そして歴史には初めがあるように終わりもあるのですから、その歴史がどんどん加速しているということは、とりもなおさず神様が歴史を加速しておられるということ、神様が終わりを速めようとしておられるということであります。


では神様はどのようなお考えで歴史を加速しておられるのでしょうか、終わりを速めようとされるのでしょうか。その答えは、神様のみことばである聖書だけにあります。しかし、私たちがいくら聖書を読んでも自分の知恵で理解しようとする限り、神様の深いお考えを知ることはできません。ただ私たちが謙虚になって神様の前にへり下り、みこころを示してくださいと心から祈り求めて聖書をひもどくとき、はじめて神様は私たちの心の目を開いてくださり、なぜご自分のご計画を速めておられるのか、どこに向かって歴史は進んでいるのか、また今このときに私たちはどうすればよいのかを教えてくださいます。


この福音メッセージ集には、聖書のみことばを通して、まことにして唯一の神である創造主なる神様、御子イエス様はどのように私たちを愛してやまない方であるか、また、このような今の時代に私たちは何を最も大切に考え、どう生きるべきかなど、おひとりでも多くの方に知っていただきたいという願いを込めて取り次がせていただいた十篇のメッセージが収められています。いずれも各地のキリスト集会や家庭集会でお話ししたメッセージの中から選んだものですが、お読みになって、聖書の同じ箇所が何度か出て来たり、同じような説明が何度か繰り返されていることに気づかれると思います。しかし、このような箇所は、神様が私たちに語ってくださっている重要なメッセージですから、どうかそのことに心を留めていただきたいと思います。


どうかこの本をお読みになったおひとりおひとりが、この本を通して神様の恵みと愛そのものであるイエス様に出会われて、イエス様の救いのみわざをご自分のものとしてお受入れになりますように、また神様が大いなるご計画をもって進めておられる歴史の中の日々を、神様が約束してくださっている確実な希望と将来に向かって、イエス様に従うまことの喜びと平安と希望をもって過ごすことがおできになるようにと心からお祈り致します。


最後に、主にあって表紙および見出しに美しい花の絵を描いてくださった吉屋真二兄弟に心から感謝致します。また、この本について終始協力し、祈ってくれた妻都代子に感謝します。


一九九八年七月

重田定義




新しい天地と古い天地 次の章 メッセージ書庫